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    カテゴリ: 政治


    2012年に第2次安倍政権が誕生してから行われた、四度の国政選挙ではいずれも自民党公明党が圧勝した。この間には反対の声も大きかった「特定秘密保護法」や「共謀罪法」などの法律も成立しているが、それに国会で対抗するには野党の数が全く足りなかった。

    「正しい意見」を主張し、賛同する人が一定数存在するのにもかかわらず、なぜ“リベラル”勢力は選挙に勝つことができないのか。5月に上梓した『なぜリベラルは敗け続けるのか』(集英社インターナショナル)が反響を呼んでいる、専修大学法学部教授の岡田憲治氏は「リベラルは『政治』をしていないから」だと話す。

    これまでリベラルが繰り返してきた失敗とは何か、そして次の参議院選挙に向けて今リベラルがすべきことは何か、岡田氏に聞いた。【取材:島村優】

    なぜ「正しい」リベラルはひたすら負けるのか

    —『なぜリベラルは敗け続けるのか』は政治学者である岡田さんが、自身の経験を踏まえ、リベラル自民党に連敗し続けるのはなぜかを論じ、どのようにすれば「ちゃんと政治をすることになるか」を綴っています。

    岡田さんの言う「リベラル」とは、どのような人たちを指しているのでしょうか?

    簡単に言えば、国家や共同体よりも「個人」に重きを置き、それゆえ人間の「多様性」を大切にして、そうなると新しい価値観に寛容となるけれど、その一方で原則的には脆弱な個の人生をギリギリ守るためには国家は、とりわけ経済的に適切な介入をして「ルールなき横暴な資本主義を修正する」ことを良しとする。こういう考え方にシンパサイズされる人ですね。ウヨウヨなさっている方々は、リベラルのことを「非寛容」と言うけれど、それはものを言うときの態度の話であって、主張の内容は全くもってそうじゃないんですね。

    弱い立場の個人が「もう何をやってもムダなんだ!」という諦めに陥らずに生きていける社会を維持していこう、つまり「セカンドチャンスを準備しておこう」という考え方がリベラルです。こういう考え方を持っている人たちには、いわゆる「反安倍」的な人が多いけど、僕の考えるリベラルには自民党の中で安倍さんと距離を取っている人も当然含まれます。田舎で金に困っている人たちが「生活のレベル自己責任で」なんて言われて自民党に投票しますか?リベラルな政策が必要な人がたくさん自民党公明党の支持者にはいます。

    リベラルを一応そのように定義しておいて、なぜ「個を重んじる」とか「平和を希求する」とか、最近だったら同性婚でもいいけど、そういう価値観を持っている人たちの陣営が、場面が選挙となった時に、下手なやり方でひたすら負け続けるのはなぜなのか?そういう、多くの人たちがモヤモヤしてきたことに言葉を提供したのがこの本なんです。正しいことを言っているはずなのに、なぜ毎回負けるのか?それは「俺たちのサッカー」を続けているのに、試合で負け続けている状態にも似ていると。南米相手でも、中東相手でも、みんな同じ戦い方して、サッカーはしているけど「試合」をちゃんとしていないのです。

    —この本の中で岡田さんは、リベラルを指す時に「私たち」「我々」と書いています。

    僕自身は、今説明したような立場を標榜する人を応援していて、実際に区議会議員選ではドブ板的な選挙で応援をしています。この本では「なんでリベラルはこんなことができない?」「選挙に勝ちたくないのか?勝ちたいならやれよ」って色々なことを言っているけど、スタートにあるのは、これまでの来し方を振り返って、「ああ、俺ダメだったなぁ」って、自分で失敗を繰り返してきたっていう話をしているんです。それを深く掘り下げれば、色々な風景が見えてくるから。

    本の中でも「政治とは友だちを増やす」ことだと書いたけど、自分の経験としても、あることに関して間違ったことを言ってないつもりでも、「そうだよな」って賛同してくれる仲間が増えないことがある。でも、それにはちゃんと理由があるんですよ。実はけっこう簡単なことで。問題の一つは、正しいことを正しいまま言えば、それが相手に伝わるわけじゃない、ということ。「正しいことは必ず伝わる!」って、それでは政治をしていることにならない。でも、そういう政治家がいっぱいいる。特に野党系に。

    自分の思いや正しいという確信を純化させて、その確信を強めていくことが政治だと思っている。正しいことをやり続ければ、雨の水が必ず岩に穴を開ける、と信じているんだな。それは思想ならいいんだよ。ビリーフ、つまり信念ね。大事なのはそれをポリティクス(政治)という「行動」にコンバートすることでしょ?それが政治なわけですよ。でも多くのリベラル系の人がその考えを共有していない。真面目だし、考えていることは正しいのに。

    参院選の争点は「ゼニカネ」以外ない

    —正しいことだけをやっているだけでは選挙には勝てない、と。

    枝野さんは今度の参議院選の争点は、パリテ(※)だとか脱原発だと言ってる。パリテも脱原発も正しいよ。僕も区議会選挙の時にパリテを念頭に女性候補を応援したし、子どもの学校でPTA会長をやっているから、どれだけ女性の能力が高くて、それが社会の中にもったいなくも眠っているのかは知っている。女性の有能さに関しては確信のレベルでそう思っていますって。だけど、今度の参議院選で「それを言って勝てるかどうか」という問題は全く別だって、あっちこっちで言いまくってる(笑)。「パリテじゃまた負けるぞ!」って。

    ※選挙の候補者を男女同数にすると定めたフランスの法律の通称

    次の選挙は衆参W選になるにしても参議院選挙だけでも、定数6の東京のような選挙区では、多くの人は有名候補が落選するかどうか、くらいしか興味を持たれていない。それよりも問題は32ある地方の1人区です。25勝7敗くらいで野党が勝たないと、安倍政権のやりたい放題を止めることができずに日本の民主主義は終わりに近づくでしょう。自分たちで金融庁に要求した「老後の生活に2000万円足りない」っていう答申が気に入らないからって、「そんなものはもうない。だから予算委員会で議論する根拠もない」と、完全にジョージ・オーウェル1984年』の世界ですよ。あるものも「ないとする(いずれ閣議決定するかもしれない)」なんて、ソ連時代の全体主義のようです。SFの世界に突入ですよ。


    —こうした事態を前に、本当の勝負の焦点となるところは、どんなところなんですか?

    最初にリベラルとは、という話をしたけれど、安倍さんのやっていることは全部その逆でしょう。心の中では「それはいかがなものか」と思っている人は、自民党の中にもいっぱいいるわけですよ。だけど、そこで安倍さんを引きずり下ろすとまた野党になるという恐怖があるから、みんな忖度して黙っている。ゼニも公認も全部官邸に握られているから、社畜ならぬ「党畜」状態です。

    「そのうち辞めるんだから、辞めた後で立て直せばいいじゃん」と多くの自民議員は思っているのかもしれない。でも永久総裁の道が着々と開かれんとしているわけ。それに力を与えるのは選挙でしょう。このまま野党がまた下手な喧嘩して、「負けて上等」みたいな馬鹿をやっていると、そのうち選挙自体がなくなるかもしれないですよ。そんなことあるわけない、って思うかもしれないけど、そんなことあるわけないみたいなことが安倍政権の間に連続して起こっているでしょ?こう言う状況を前にして、いつまでも「俺たちのサッカーを貫くって言うかぁ」なんて純粋無垢でいいのか、と。自公に投票している人より野党にした人の方が多いのに(2017年10月衆院選)!

    話を戻すけど、1人区の選挙区では支持政党がない人たちのうち7〜8%が投票行動を変えるだけで、状況は一変するんです。“Winner takes all”、つまり「勝者独占システム」である定数1の選挙区で、1票でも多く獲ればそこを取ることができるわけだから。民主党政権ができた時も、そうやって山崩れが生じたんですよ。

    —この重要な1人区で25勝7敗ぐらいになる戦略で選挙戦を戦う必要があると。

    そうですよ。ところがその時に「パリテ」って言って、誰に届くの?パリテを支持する人は初めから立憲民主党を応援しているから、そんなことは言わなくていいんだよ。そうではなく、やることは「選挙のことはよくわからない」「ほとんど選挙って行かないし」っていう、「浮遊しつつも潜在的に支持者にさせる可能性のある有権者」、推定1000万人くらいが「野党頑張ってるから、1票入れよう」となるような運動をしなければいけないんだよ。残りの1か月は、それだけをやらないと。オーバーオールな(総対的な)支持を構築するんじゃないの。移動するだけで選挙結果をひっくり返しちゃう人たちのハートに届く、「あ、これは俺の話をしてんだな」って思える、彼らの不安に寄り添う言葉を使わなきゃダメなんですよ。

    そのために、彼らのハートを一番掴むものは何かと言ったら、パリテでも憲法改正でも原発でもないんだよ。それは何だか、もうわかるでしょ?


    —『リベ敗け』でも何度も出てきますが、お金ですね。

    そう、ゼニカネなんだよ。なんでそんなことが分からないのか。憲法も大事、原発も大事、民主主義も大事、間違ってないよ。でも、それはお腹がいっぱいになってから考えることなの。とりあえず、今回は「安倍さんダメっしょ?でも立憲もねぇ…。どうしようかな、棄権じゃね?」って迷っている人を10%友達にする選挙なの。正しいメッセージではなく、迷ってる10%に届く言葉を考えないとダメなんだよ。それが大人の喧嘩をするってことでしょ?

    「負けることの危機感」を持つ自民党は強い

    リベラル勢力は協力すれば勝てる選挙でも、それができず結果的に敗けるというケースが頻繁に起こります。

    このゲームルールでやる以上、リベラル系、野党系が分裂したら自公に全敗でしょ?そんな簡単なことが分からないはずはない。簡単なことなんだからやればいい、でもそれができない理由は色々とある。政党の幹部の面子が邪魔したり、党内ポリティクスの影響だったり。たくさんの要因があるんだけど、共通しているのは野党のリーダーたちに「こんなことをやってる場合じゃないよな」っていう危機感がまだどこか足りないことだと思いますよ。

    例えば、野党統一候補を応援する時に、「今回は違います!野党は一つになったんです!」と示したければ党首クラスが目の前で揃わないといけない。でも、1人が参加できずにその党は幹事長が来るとなると「なんであっちは幹事長なのに、うちの党は俺が行かないといけないんだよ」という奴が出てくる。すると、別の党首も行かなくていいや、とビッグネームが集まらなくなって、「野党統一、大丈夫?」という空気になるんだよ。

    自民党は、そういうバカみたいな面子で仕事をサボタージュするようなことは絶対にしない。一旦決めたらどんな嫌いな奴の応援でも必ず行く。それは選挙の厳しさを知っていて、負けたら何の意味もないんだ、ということが体に染み付いているからですよ。それと比べると野党は負けても「精一杯やって、爽やかな負けだった」と満足していいんだ、と思っているところがある。「それは違う、負けたらなんの意味もないんだよ」という危機感を持って選挙に臨んでいる人間の数は、圧倒的に自民党が多いでしょう。

    —危機感があるから自民党は強い、と。

    野党の側で、そういうことに対して「それじゃダメなんだ!」って言い続けていたのは小沢一郎議員だと思う。でも民主党は彼を排除したでしょ。その後の民主党民進党立憲民主党の選挙、折にふれ観察してきたけど、ろくな選挙していないよ。風頼みばっかり。じゃあ、なんでそういう連中が政党の幹部にいて引きずり下ろされないかと言えば、支持する側が同じように清潔で「おい、書生みたいなキレイごと言ってないでちゃんと政治やれよ!」というプレッシャーが有効にかからないからなんだろうと思う。


    希望の党自民党に恐怖を与えた

    リベラルの側にも、そういう意識を持っている政治家もいるけど、「正しいことを主張して、わかってくれる人がいたらそれでいい。わからないやつに自分の筋を曲げてまでわからせる必要はない」って思ってる人間がいるのも事実です。そこまでして勝ちたくない、って言うのならそんな政治家は退場すべきだよ。こっちは、何が何でも勝ちたいんだ、って人間を応援したいんだ。自民党は汗かいてやってるじゃないか。

    これは区議選レベルの話だけど、知り合いの自民党区議が「ピンチだ、ピンチだ」って言って、蓋を開けてみたら1500票も増やしてた。じゃあ、なんで彼はそんなに選挙に強いのかと言えば、簡単なこと。どこに行っても地域で汗まみれになって、交通整理をやったり、お祭りの準備をしたり、地域のイベントの実行委員会をやったりしてるからですよ。どこ行ってもそういうのは自民党の議員なんだな。それこそが政治家だと言っているんじゃないんだよ。そういう姿が人々の記憶に残っていて「本気なんだな」という基本トーンを作ってる、そういうことをもっと考えろということなんです。

    そこには野党の議員は誰も来ない。それは、祭りに参加しようと思っても町会のおじいさんに「祭りは自民のものなんだから、立憲民主党は来るなよ」って言われることもあるよ。でも怒られても行くんだよ。「ビールだけ注がせてください!」って入っていって、「党派違いますけど、町を思う気持ちは同じです」って伝えてこないと。それを何遍も繰り返せば人のハートは動く。自民はそこまでやるよ。だから、「できないってことは、そこまでして勝ちたくないんだな」って思われても仕方ないんだということです。

    —逆に言うと、自民党は党内に幅広い立場がありますが、「選挙に負けたくない」という点で一致して協力することができるんですね。

    “安倍チルドレン”と呼ばれる人たちと、伝統的宏池会系って、政治的姿勢は全く違うでしょう。別の生き物と言ってもいいですよ。だけど、文句があっても、一旦決まったら協力する。それがチームでしょう。それをやらないで政治権力を失ったら野党になる、っていう危機感がある。

    だって、小池(百合子)さんが希望の党を旗揚げして「全選挙区に候補者を立てる」って言った時、自民党本部はお通夜みたいだったって言われてるんだから。150議席失うっていう計算もあって「また野党か…」とガッカリした議員も多かった。でも、小池さんは自分がやらないといけなかった、山口4区に立候補する、「どんな人も排除しない」って言う、っていう2つのことの真逆を選んでしまった。だから逆風が吹いて、自民党が圧勝した。でも、そういう状況を起こすことは可能なわけだよ。鳩山由紀夫さんから100億円借りるぐらいのことやってみろよ、とかね。お行儀悪いけど(笑)


    100億円?

    1人2億円渡して自民党リベラル系50人に声をかけてくればいいよ。「選挙の心配はするな、お前の選挙区には野党の候補を立てない、必ず当選させてやる、その代わり自民の党籍を抜けて、新しくできる連立内閣に参加してくれ」って。そういうことだって考えられるでしょ?

    —本当にそんなことが可能なのか、と思ってしまいます。

    でしょ?でも議員が常に心配しているのは、「ポストもらえるのかな?このままで?」と「金足りるかなぁ?」だから、考えてみる価値はあるんだよ(もちろん法の範囲内で)。このまま「パリテです」「原発です」って言い続けるだけで、選対もバラバラに勝手にやってるだけだと、前回と同様32の1人区で10勝22敗だよ。負け。この危機的状況でも、また頓珍漢をやるってのか?「ああ!」って、リベラル系の人たちのハートがポキンと折れる。もう俺カナダ人になるわって(笑)

    憲法論議は野党分裂を目論む側が仕掛けた罠

    —そういうウルトラCも頭に入れつつ、リベラル勢力が参院選で勝つために必要なことはなんだと思いますか?

    ゼニカネの話だけしろ、それ以外は話すな、これですよ。この先の暮らしに希望が持てない28歳の気持ちを想像しろよって思います。もう未来はないと思ってる彼ら彼女らが、わざわざ投票所に行って、人や政党の名前を書くためにはどうしたら良いのか。「ひと筋の希望があるかもしれない」と思わせられないと投票には行かないよ。山本太郎は「本物の好景気ってもんをみせてやる!」って言ってる。「えっ?」って腰を浮かす、そういうことなんじゃないの?

    何がそう思わせられるかと言えば、男女平等でも原発でも憲法でもないよ。カネ、暮らしだよ。それで生活を立て直して、ひと息ついて「頑張ればなんとかなるかもしれない」って思った時に、「原発とか憲法についてもうちょっと考えたほうがいいかもな」ってなる。そういう問題は、ある程度の余裕がないと考えられない。安保法制のデモで国会前に行く人は、カネの心配はあまりしてないかもしれないんだよ。貧困の中で昼も夜も仕事をしている人からしたら、憲法よりも自分の生活が大切だとなる。だから中間層が痩せちゃダメなんですよ。民主主義っていうのは。

    —ただ、リベラルは選挙戦で憲法を争点にすることも多いように見受けられます。

    当然、自民の側は罠を仕掛けてくるよ。「次の選挙は改憲がテーマである」、って言う(もちろんこれは「党内での安倍さんの闘争」という面もある)。でも、憲法を争点に選挙をやったら野党が負けるのは明らかです。そもそも改憲をめぐる論理がねじれているんだから。言うまでもなく、安倍改憲っていうのは史上例のないひどい改憲論であって、憲法の法理を破壊するもので、もしあんなことをやったら世界中から不可解な国だと思われるよ。

    でも、選挙で9条の条文死守系の人たちの協力を受けられなくなるって、枝野さんは怯えてるから、国際人道法、あるいは国際法に適った内容で、国際社会に信頼される「立憲的」改憲を掲げて自民党にぶつけに行くこともできないわけですよ。しかし本当は、自衛隊をきちんと軍事組織としてコントロールする体制を作るために、憲法の中に「force」と位置付ける必要がある(国際社会は自衛隊のことを“force”としてしか受け止めていないんだから)、そのためには憲法を改正して、憲法の持つ規範力を強める必要がある、という筋でデタラメな安倍改憲にぶつければ、賢明なる右派の中にも賛同する人が出てくるかもしれない。護憲派の人に添った言い方をすれば、9条が「あったのに」もう集団自衛権もオーケーになっちゃったくらい規範力が衰退してるもの。

    でも、それをやると共産党が選挙で動いてくれないからできないんだよ。共産党共産党で拳を振り上げて、憲法9条原理主義になってしまったからです。70年代共産党は武装独立自衛主義でしたよ。60歳以上の人は覚えているはずです。だから、憲法を争点にすると、「安倍改憲に反対!」としか言えなくなって、「なぁんだやっぱり展望を示さないんだね。安倍さんは前進しようとしてるのに」って言われて終わり。だから、安倍改憲案は罠としてはたらく。でもね、そもそも、国民投票法が改正されてないのに、改憲の投票なんて当分できないんだから。少し冷静に状況を考えたいわけです。


    —憲法を争点にすることで、選挙のために協力することができなくなる。

    だから、憲法については改めて議論をする必要があるけど、「とりあえず安倍改憲を阻止するという点で一致しましょう」って言えば共産党だって乗りやすいでしょ。そういう本筋はちゃんと認めて、公約に書く。基本方針として。「もちろん憲法は大事だし、立憲主義は守らないといけない。これからしっかりと議論していこう」と。そして「脱原発を具体的にどう着地させるか、については与野党協力してやっていくしかない」と握っておいて、コントラスト出す争点なんかにしないで、「党派を超えて協力すればいいのです!」と、抱きしめる。それで誰も反対できんでしょ?しょせんは「理想社会像」じゃなくて、「あと数年の間にできる工程」に過ぎないんだから。公約なんて。

    その上で、「国民最大の関心はやせ細った生活です!」「私たちが政権に加わったら、3年後、5年後に希望を持ってもらうために若年層と高齢者に、生活基盤を支える直接給付をします!」、「消費税の1%分は、国債の償還なんかに使わないで高等教育の無償化に使います!」って言えばいいんだよ。全員で声をそろえてね。1%で2.8兆円ですよ?余裕でできますよ。

    民主党はダメだった」という無責任さ

    今の社会は余裕がないですよね。若い人は「すぐに結果を出せ」、「自己責任だ」、何かと言えば賃金カットの話ばっかり。そういう人たちがどういう気持ちで暮らしているかを考えないといけないでしょ。若い人は、年上世代に対して「あんたたちはそうやって生きてきたけど、甘やかされてきたじゃん。なんで俺たちばっかり頑張れって言うんだよ」って思ってる。だから、彼らがひと息つけるような、未来は何とかなるかもしれないと思える政策を打ち出すべきなの。税制優遇するとか、職業訓練のお金を出すとか、大学に通い直すために条件の良い奨学金を作るでも、学費免除でもいいよ。

    —そういった公約を掲げても「本当にできるのか?」「民主党政権は何もできなかったじゃないか」というムードが生まれることが多いように感じます。

    そうだよ、でも誰にもできなかったでしょ?自民党だって半世紀かけてもできてない。「教育と住宅は自助努力でやってね。減税はするから」って、それしかやってこなかったんですよ。自民党だって。そして小泉さんが急に「市場中心の規制緩和!」ってぶっ壊した。こういう文脈を無視して、民主党政権を批判したって意味がないの。


    そこに関してはメディアにも大きな責任があって、民主党を叩く筋を間違えたんだと思う。その意味では、マス・メディア子ども同然だったの。民主党が3年3ヶ月でできなかったことは、自民党が50年かけてできなかったことだよ。当時について「民主党がダメだった」って、必ず上の句のように言う人に、「何がダメだったか具体的に指摘してみてよ」って聞いて、ちゃんと上げられた人間はただの1人もいなかったよ。1人も。

    もちろん政治学者は指摘していたよ。我々は民主党の良かったところとダメだったところを五つずつ言えるよ。でも、大手新聞社の記者に聞いても「政権担当能力がない」っていう古い文法でおきまりのことを言うくらいで、政権担当能力とは何かについて、具体的に分節化して答えられる人は1人もいなかった。一般のおじさんが「民主党が…」って言うのはいいんですよ。それは床屋政談て言って、そこに庶民の独特の視点が入ってたりするからね。でも、いい学校出て、高い給料もらっている言論人、メディアエリート君たちが、深く考えずに「民主党政権はダメでしたけど」って言うのは全くもって恥ずかしいことです。その「そういうことでしょ?」感が、どれだけの経験と教訓をドブに捨ててきたのか。そのため政治の話はまたぞろ「ゼロベース」から始めなきゃならんわけよ。壮大な犠牲を生んだのに。

    安倍政権は、じゃあできたのか?アベノミクスの結果はどうなった?データを改ざんして、まともなデータを出さないで検証しようがないだろう、そのことには突っ込まないのかしら?官邸記者会見でレッツノート黙って叩いてる大新聞のエリート君たちは。この次に政権交代があった時に、また言うのかしら?「安倍政権最悪だったじゃないですかぁ」とか。学習ゼロ。政治、政治家を育てるとか、一緒に成熟していくという発想が貧困だったのが、戦後民主主義の弱点です。

    社会を良くするために協力したい

    —『なぜリベラルは敗け続けるのか』を読み、じっくりとお話をお聞きすることで岡田さんの考えがより理解できたように思います。政治学者でありつつ、自身も「政治をする」ということについては、どのように考えていますか?

    僕は政治学を学ぶ人間として、一つのことしか考えていない。それは「政治とは何か」ということです。それだけを考え続けてきたし、これからも同じです。僕の役割はそれでいいと考えます。政治には様々な側面がある、その中で、弱い人間が協力し合いながら、なんとかギリギリでも自由に物が言えて、自分たちの失敗を記録して、そこから少しでもマシな社会をつくらないといけない。そういう社会を守らなければならないんです。だから、そのための社会的技法のことを「政治」と考えている。

    だからこの本に書いてあることは、学問的に政治とは何かを考えることと連続していて、学問をすることと社会を守ることは地続きだと思っていますよ。プラトンアリストテレスの時代から先人の偉大な政治学者たちが問い続けていることを、その宿題を受け取って、かれこれ30年以上も同じことを考え続けている。マキャベッリ、マルクス、ラスウェル、ダール、アレント・・・。そうした先人たちとの対話という知的作業と、こういう本を書いたり、ドブ板選挙で誰かを応援したりすることは、僕の中ではそれほど異なったことではないんです。僕たちの政治は、果たして「進歩して成熟するのだろうか?」って。


    —この本はどんな人に読んでほしいですか?

    リベラルの側にいる人はもちろんそうなんだけど、立場が違う(と思い込んでいる)人にも読んでもらえたら、その人たちの力を引き出せると思いますよ。実際に、そうやって間違えて買った人もいるみたいで(「リベサヨ叩きによくね?この本?」とか思って読んだら「チゲェじゃん」とか)、でも読み終わった時に少しでも「でも俺たちもそういうことはあるよな。虚しいバッシングばっかり言っても仕方ないよな」と思ってほしい。それぞれの立場で、本当に守りたいものは何か、ということを考えてほしいですよ。本当に守りたいものが、さほど水と油であるはずがないんだもの。喧嘩する相手を間違えちゃいけないよね。

    勘違いして欲しくないのは、僕は誰かを敵視しているわけではないということです(人種差別主義者は別です!)。そうではなく、この社会には力があって、協力する知恵もある。だから協力しようと言っているだけなんだよ。そのためには、人の心を溶かすようなことをやらないとダメだし、それは何よりもこの自分がずっと失敗してきたことだったから。あー!ダメダメだったなぁと。

    この本の内容に絡めたツイートTogetterでまとめられた時に、この本を1行も読まない“ネトウヨ”的な人たちが猛烈に批判してきた。それでもいい。関心を持ってほしい。僕は「お前はそもそも誰なんだよ?」っていう「匿名の安全地帯」から偉そうなことを言っても、人は耳を傾けてくれないと思って、恥ずかしいけど自分の滑った転んだを書いたんですよ。ここに書いてあるのは、かつて僕自身が全てやっていたことなんだよって。

    —何度も、「ここに書いてあるのは自分のこと」と繰り返しているのには、そういう思いがあったと。

    そう。最初にも言ったけどスタートは「俺がダメだった」っていう話なんですよ。この本に対するネットコメント欄がどれだけひどくても、「その通りだよな」って思ってくれる人もいる。僕のメッセージを受け止めてくれた人が、少しはいるかもしれない。だから僕は、この社会に対する希望を失っていませんよ。もし完全に失ってたら、悪いことして金集めてフロリダの別荘で寝て暮らしますよ(笑)

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    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>

    【「安倍政権の倒し方を少し大人になって考えよう」政治学者が自戒を込めて語る、リベラルが敗け続ける理由】の続きを読む


     度重なる失言で五輪担当相を辞任した自民党の桜田義孝衆院議員が、また失言した。「放言・暴言・失言の製造機」の名に恥じない失言っぷりである。しかし、政治家からは似たような発言が最近相次いでいる。あらためて、桜田氏の失言の背景を考えてみたい。

    桜田義孝 自民党・衆院議員
    「お子さんやお孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」
    「結婚しなくていいという女性がみるみる増えちゃった」
    共同通信 5月29日

     5月29日千葉市で開かれた会合に出席した桜田氏は少子化問題に言及し、「お子さんやお孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」とパーティ出席者に呼びかけた。また、会合では「結婚しなくていいという女性がみるみる増えちゃった」とも語っていた。

     発言後、「子どもを安心して産み、育てやすい環境をつくることが重要との思いで発言した。誰かを傷つける意図はなかった」と釈明した桜田氏だが、だったら子どもを安心して産み、育てやすい環境をつくりあげてから「お願い」してもらいたい。また、桜田氏が「お願い」している相手は女性に限定されているが、少子化は女性だけの責任ではない。生涯未婚率は男性のほうが圧倒的に高いのだから、桜田氏は男性にも「お願い」すべきなのではないか。

     なお、桜田氏は5月14日の会合で「私のようにならない政治家を育てていただきたい。反面教師にしてください」と自虐ギャグを飛ばしていたが(産経新聞 5月14日)、わずか2週間後に再び失言をしたことになる。

    約1年前に批判を浴びた発言

    加藤寛治 自民党・衆院議員
    「新郎新婦には、必ず3人以上の子どもを産み育てていただきたい」
    NHK政治マガジン 2018年5月27日

     桜田氏の発言と似たものを列挙していく。こちらは2018年のもの。加藤氏の発言は多方面から批判を浴び、謝罪して撤回した。しかし、野田聖子女性活躍担当大臣が「そういうことを言ったから子どもが産まれるということではない」と批判したことについては、「全国から多数の賛同が寄せられていることを考えると批判は当たっていないのではないか」と反発してみせた。

    山東昭子 自民党・元参院副議長
    「子供を4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」
    朝日新聞デジタル 2017年11月21日

     こちらは2017年のもの。山東氏の発言は大学教員や弁護士らでつくる「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会」による2017年のワースト・ジェンダー差別発言に選ばれている。

     桜田氏、加藤氏、山東氏らの発言に共通しているのは、安倍政権が主張している「伝統的家族観」にもとづいたものだということだ。

     男が外で働き、女が家を守って子どもを産み育て、祖父や祖母も一緒に暮らす大家族。安倍晋三首相は著書『美しい国へ』の中で「『お父さんとお母さん子どもがいて、おじいちゃんもおばあちゃんも含めてみんな家族だ』という家族観と、『そういう家族が仲良く暮らすのがいちばんの幸せだ』という価値観は、守り続けていくべきだと思う」と記している。「いちばんの幸せ」は個人が決めることであって、誰かから押し付けられるものではない。

    安倍首相ブレーンは「個人の尊重だけでは日本民族は絶滅」とも

     安倍首相ブレーンと報じられることもある伊藤哲夫日本会議・政策委員は「個人の尊重や男女の平等だけでは祖先からの命のリレーは途切れ、日本民族は絶滅していく」と語っていた(毎日新聞 2016年11月3日)。桜田氏はジェンダーフリーに基づく男女共同参画に反対している。

     山口智美モンタナ州立大学准教授は、日本会議ら右派の人々の主張について、「行き過ぎた個人主義が蔓延しており、修正が必要だ」「その結果、みんながわがままになって少子化が進むし、家族の崩壊が起こるしで、日本は大変なことになっている」と説明する(マガジン9 2016年7月13日)。女性がわがままになって子どもを産まないから、少子化が進んで日本が大変になっていると、この人たちは考えているようだ。

    麻生太郎 副総理兼財務相
    「いかにも年寄りが悪いという変な野郎がいっぱいいるけど、間違っていますよ。子どもを産まなかった方が問題なんだから」
    BuzzFeed News 2月4日

     似た発言として、麻生氏のこの発言も挙げておきたい。「産まないことを『問題』だと批判するのは人権侵害につながる」(信毎ウェブ 2月9日)などと批判を浴びた。

     発言の大まかな内容は、全世代型の社会保障制度への改革を行っていくために消費税増税への理解を求めるというものだった。麻生氏は2014年にも「高齢者が悪いというイメージをつくっている人が多いが、(女性が)子どもを産まないのが問題だ」と発言している。女性が子どもを産まないから消費税を増税せざるを得なくなったと言わんばかりだ。

     先の加藤氏の発言も、「新郎新婦には、必ず3人以上の子どもを産み育てていただきたい」の後に「結婚しなければ、ひとさまの子どもの税金で老人ホームに行くことになる」という発言がついていた。いずれも少子化による社会保障をまかなう資金の不足という問題に際して、その解決策として女性に「もっと子どもを産め」と発言しているのだ。

    「『自助』の充実を行っていく必要がある」

    金融審議会市場ワーキンググループ
    「各々の状況に応じて、就労継続の模索、自らの支出の再点検・削減、そして保有する資産を活用した資産形成・運用といった『自助』の充実を行っていく必要があるといえる」
    金融庁ホームページ 5月22日

     金融庁は3日、人生100年時代を見据えた資産形成を促す報告書をまとめた。平均的な高齢夫婦の場合、公的年金などでは毎月約5万円の赤字が続き、退職後の30年間で2000万円不足するとの例が示されている。

     5月22日に公表された報告書の原案では、老後の生活費について「かつてのモデルは成り立たなくなってきている」と指摘。年金についても「(水準は)中長期的に実質的な低下」「公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある」とはっきり示していた(3日に発表された報告書ではこうした表現が曖昧になっている)。また、金融商品などを購入して資産形成するなどの「自助努力」の必要性が強調されており、ネットなどで批判を浴びていた。

    麻生太郎 副総理兼財務相
    100まで生きる前提で退職金って計算してみたことあるか? 普通の人はないよ。そういったことを考えて、きちんとしたものを今のうちから考えておかないかんのですよ」
    テレ朝news 6月4日

     金融庁が退職後に2000万円が不足する例もあるとして、若いうちから資産運用が必要と報告書をまとめたことを受けての発言。麻生財務相が「考えておかないかんのですよ」と言うときの言葉の主語は「我々」や「政府」ではなく、「国民」である。つまり、俺たちゃもう知らん。お前たちにゲタを預けた、ということだ。

     年金支給額は明らかに減る。非正規雇用が増えて、正社員でも終身雇用されないので退職金も減る。もはや国民は「自助努力」をしなければ生きていけない社会になりつつある。その原因を、女性が「わがまま」で子どもを産まないからだと考えている政治家が少なくないのではないだろうか。桜田氏の発言からは、そのことが透けて見える。

    (大山 くまお

    今年の4月1日に辞表を提出した際の桜田義孝元五輪相 ©時事通信社


    (出典 news.nicovideo.jp)


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    2019年5月30日韓国・中央日報によると、日本での「冷遇問題」が物議を醸している韓国の議員らが「元徴用工判決による日韓関係悪化を防止するための対策が急がれる」と主張した。
    韓国外交統一委員会所属の議員5人は28日から1泊2日の日程で東京を訪れた。5人は、日本の衆参両院の外交委員会所属の議員複数人と面会するものと考えていたというが、実際に対応したのは比例代表初当選の渡邉美樹参議院外交防衛委員長1人だけで、韓国では「冷遇問題」が波紋を呼んでいた。
    記事によると、5人のうちの1人、千正培(チョンジョンベ)議員は取材に対し「日本国内の雰囲気は非常に悪い」とし、「日本メディアは『文大統領は日本との問題に全く関心がない』『韓国人よりむしろ日本人の方が元徴用工判決への関心が高い』と言っている」と説明。さらに「(元徴用工判決に関し)日本は攻勢的だが、韓国政府は表面的には何の反応もしていないように見える」とし、「大統領を含め、政府が同問題に対する立場をはっきり示し、対話を始めるべきだ」と指摘したという。
    尹相ヒョン(ユン・サンヒョン)議員も「日本が感じている日韓関係悪化の水準は想像以上」とし、「日本の専門家の1人は『文政権が終われば日韓関係が改善する』とまで言った」と話した。また、元徴用工判決について「数カ月後に日本企業の資産売却が実際に行われたら、本当に大変なことになる。すでに出てしまった判決はどうすることもできないが、政府は外交的努力で日韓関係が破局に向かうことを防がなければならない」と警告したという。
    これに、韓国のネットユーザーからも「日本は昔は敵だったが、実利と国際的関係から考えるとれっきとした経済軍事同盟国。日本が今すぐに韓国を侵略することはないけど、北朝鮮は明日にでもできるのが現実。それなのになぜ日本との交流を絶とうとするのか」「なぜ外交を感情でするのか。歴史をみると日本を好きになれるわけない。でも過去だけを見て感情的に対立することが正しいことなのか。歴史に対する反省と謝罪を求めつつ、安保や経済では協力する道が正しいのでは?」「国民は日本との歴史問題を解決せよと言っただけで、日本と断交せよとは言っていない!」など、「日韓関係を改善すべき」と訴える声が相次いでいる。
    ただ一部では「文政権が終われば日韓関係が改善。日本の専門家は冷静に見ているね。韓国国民も文大統領の外交力には何の期待もしていない」「日本と対話するためには韓国が譲歩しなければならない。反日感情を利用している文政権には無理だろうね」など諦めムードも漂っている。(翻訳・編集/堂本

    30日、韓国・中央日報によると、日本での「冷遇問題」が物議を醸している韓国の議員らが「元徴用工判決による日韓関係悪化を防止するための対策が急がれる」と主張した。写真は韓国国会。


    (出典 news.nicovideo.jp)


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    戦争発言に留まらない暴言と大暴れ週刊誌に曝露された元維新の会の丸山穂高議員が「適応障害」を理由に国会での聴取から逃げ出しました。詳細は以下から。

    ◆「適応障害」を理由に事情聴取から逃亡
    ビザなし交流で訪問した北方領土・国後島の宿舎で酒に酔い、「戦争しないと北方領土取り戻せない」などと発言して維新の会を除名処分となった丸山穂高議員。

    この発言について5月24日に国会で説明するよう求められていた丸山議員でしたが、「適応障害」のため「今後2か月間の休養が必要」だとして、事情聴取を欠席しました。

    衆議院の議院運営委員会では、丸山議員の発言について、「国会の権威をおとしめる発言」だとして、丸山議員本人から事情を聞く必要があると判断。

    5月24日の理事会で説明するよう求めていましたが、丸山議員は体調不良を理由に理事会を欠席しました。

    JNNが入手した診断書の写しによると、丸山議員は適応障害のため「今後2か月間の休養が必要」とのことです。

    5月20日までは反論・弁明する気満々でした
    丸山議員は「戦争発言」発覚後の5月15日には辞職勧告決議案について「提出され審議されるなら、こちらも相応の反論や弁明を行います」と反論する意志を明言。


    また5月19日には「明日は決算委があるので、まずは、もしそこに各社記者さんらがいれば見解や対応をお話しする」とツイートしています。


    実際に20日には記者らに対して「あの場ではあらゆる話をしたし、私を含めていろいろな議論をした。議論をしている中の1つ(の発言)であるし、何ら公式の場で申し上げたことではない」と発言。

    議員辞職についても「何度も申しているが、この時点で辞職することは逆に、言論の府において、おかしなことになると思っている」とあらためて否定していました。

    ◆「適応障害」を理由としたことに大きな批判
    こうした状況から、最も公式な場である国会での事情聴取から逃亡したことに批判が集まっていますが、それ以上に炎上しているのが「適応障害」という精神疾患を理由としていること。

    厚労省の公式サイトでは適応障害について「ある生活の変化や出来事がその人にとって重大で、普段の生活がおくれないほど抑うつ気分、不安や心配が強く、それが明らかに正常の範囲を逸脱している状態」と説明しています。

    つい先日まで反論・弁明する気満々だった国会での事情聴取が、「普段の生活がおくれない程のストレス」であるという説明には疑問符が付きますし、また実際に適応障害であるならば2ヶ月程度の休養で簡単に治るものでもありません。

    それ以前に、外交関係を揺るがすレベルの自らの暴言に対して責任を持った反論なり弁明ができないのであれば、それは直ちに国会議員としての資質を問われる問題です。

    こうした重大な問題に対して精神疾患の診断書を使って逃亡する事には「実際に『適応障害』を患う人への誤解を蔓延させる」と当事者や医療関係者らから批判が起こっています。

    戦争発言に加えて、泥酔しての「おっぱい!おっぱい!オレは女の胸をもみたいんだ」「オレは女を買いたいんだ」などの卑猥な発言や無断外出を試みたり暴れたりといった国会議員としてあるまじき所業が明るみに出る中での今回の欠席騒動。

    丸山穂高議員が実際に適応障害であれ、単なる逃亡の口実であれ、必要なのは2ヶ月間の休養ではなく議員辞職ということになりそうです。

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    丸山穂高議員が「適応障害」を理由に国会の事情聴取をバックレて炎上


    (出典 news.nicovideo.jp)


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