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    カテゴリ: > 原発


    放射線量は下がったが、汚染水関係や原子炉建屋周りの作業などでは今でも全面マスクと防護服が不可欠だ
    放射線量は下がったが、汚染水関係や原子炉建屋周りの作業などでは今でも全面マスクと防護服が不可欠だ

    昨年10月に亡くなった福島第一原発の作業員が過労死と認定された。作業員の超過勤務時間は亡くなる前の半年間、月平均で110時間を超えていた。

    今も続く事故収束作業の現場で何が起きているのか? 今回の過労死の実態をレポートする。

    * * *

    ■未明から暗くなるまでの長時間労働だった

    「残業代も払ってもらえずに働き、夫は汗まみれのままで亡くなりました。二度と夫のような過労死が起きないようにしてほしいと思います」

    亡くなった猪狩忠昭さん(当時57歳)の妻は11月7日、夫の労災認定を発表した記者会見で涙をふきながらこう話した。

    福島第一原発では今も、毎日約5000人の作業員が働いている。汚染水や核燃料の取り出しなどの課題が指摘される一方で、東電は作業環境が改善したことを強くアピール。そうしたなかでの過労死だった。原発事故後、長時間労働での過労死認定は初めてとみられる。

    遺族によれば、猪狩さんは昨年10月26日福島第一原発の構内で意識不明になり、約1時間半後に亡くなった。東電は当時、猪狩さんの死因について「病死」と記者会見で説明し、作業との因果関係を明確に否定。しかし、猪狩さんの労働状況を見ていくと、そう言い切れなくなった。

    自動車整備士だった猪狩さんは震災後の2012年3月、福島県いわき市にある自動車整備・レンタル業「いわきオール」に入社。その直後から原発に通い始めた。当初、原発での作業は隔週だったが、14年には週4日になった。

    その後、17年に東電は、原発構内で使う全車両に通常の車検並みの点検を18年9月までに実施すると発表。それに伴って、猪狩さんは月~金曜日は原発、土曜日は会社で車両整備をする生活になった。

    原発に向かう日は、午前4時半に会社の事務所タイムカードを押し、一般道を1、2時間かけて通勤。防護服に着替えてミーティングをし、午前8時過ぎには整備場で作業を始めた。帰りは事務所に戻って事務作業や残った整備をし、退社するのは午後6時から7時だったという。

    作業環境も厳しいものだった。何しろ原発構内の車は放射能汚染がひどい。そのため全面マスクに防護服、二重の手袋という重装備。猪狩さんは、整備の手間がかかる大型車や消防車のような特殊車両を担当していた。

    そうした状況を遺族が知ったのは、猪狩さんが亡くなった後だ。妻は言う。

    「最初の2年くらいは原発に行っていることも知らなかったんです。その後、朝早くなることが増えたときに大丈夫かと聞いたら、朝が早い分お昼の休憩が長くて仮眠も取れるから大丈夫だよって。安心させたかったのでしょう」

    実際は、休憩所に行くには放射能汚染のチェックをしたり防護服を着替える必要があるため、昼は1時間も休めなかった。

    妻は、猪狩さんの整備士仲間からこんな話も聞いている。

    「その方は『普通はあんな車は直さない。オレなら放り出しちゃう。でもあいつはできるからやっちゃうんだ』って言ってました。夫はその人に『オレがやるしかないんだ』って話していたそうです。そこまで責任感を持って仕事してたんだなって思いました」

    ■東電と会社の冷たい対応に不信感が増した

    猪狩さんは亡くなる1年前に心臓の血管の手術を受けている。手術はうまくいき体調もよかったが、亡くなる1ヵ月くらい前から体がつらいと不調を訴えるようになった。同僚は、亡くなる3日ほど前、階段の上り下りもつらそうだった猪狩さんを見たという。

    「作業前には毎日、血圧や体温を測って記録していました。血圧が高かったのは会社も知っていたはずです」と妻は言う。

    しかし、不調をおして現場に出て亡くなってしまった猪狩さんに、東電といわきオールは冷たかった。

    繰り返しになるが東電は記者会見で、「病死」なので作業との因果関係はないと明言し、それ以上の説明を拒否。妻によれば夫の告別式の数日後、いわきオールの社長は遺族に「これは労災じゃないから」と言い放ったという。怒りを込めて妻は言う。

    「後で東電の記者会見のことを知ってびっくりしました。『病死』って発表した時間、私は夫の亡骸(なきがら)にも会っていなかったんです。それに東電は『ご家族の皆さまにお悔やみを申し上げます』と言っていましたが、今でも直接何かを言われたことはありません」

    東電と雇い主のこうした対応に不信感を募らせた遺族は、「フクシマ原発労働者相談センター」などの協力を得ながら情報を集めた。そしてタイムカードの記録から月平均110時間を超える残業があったことを突き止め、今年3月、いわき労働基準監督署に労災を申請したのだ。

    申請が認められたのは一周忌直前の10月16日。妻は記者会見で、「夫のがんばりを認めてもらい、ほっとしています。夫のお墓に『お疲れさまでした』と伝えました」と話し、声を詰まらせた。

    いわきオールは週刊プレイボーイの取材に対して代理人弁護士を通し、「適切な労務管理・従業員の健康管理を行なっていたと認識しております」と回答。東電は記者会見で、「これからも安全最優先で環境整備をしながら、しっかり(作業を)進めていきたい」とだけ述べた。

    原発事故から7年半が経過し、東電や政府はしきりに福島第一原発の労働環境が改善したことを強調している。本当に変わったのだろうか。『週刊プレイボーイ』49号(11月19日発売)では、福島第一原発で働く現場の生の声もレポート、彼らが今抱える不安を伝えている。

    取材・文/木野龍逸 写真/東電提供

    放射線量は下がったが、汚染水関係や原子炉建屋周りの作業などでは今でも全面マスクと防護服が不可欠だ


    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>

    【月110時間を超える長時間労働で過労死認定――忘れられつつある福島第一原発で今も働く作業員の実態】の続きを読む


     東京電力福島第一原子力発電所が過酷事故を起こしてから7年半が過ぎた。そのうち、安倍政権下が約6年を占める。人々の命と健康を守るには、事故による放射能汚染から遠ざける「避難」、放射性物質を取り除いて集める「除染」が重要だ。さらには汚染土や汚染水など「廃棄物管理」の問題も無視できない。

     国が7月に公表した新たなエネルギー基本計画には、「事故の経験、反省を教訓に肝に銘じて取り組むことが原点であるという姿勢は一貫して変わらない」とある。本当だろうか?

    福島第一原発の敷地内に立ち並ぶ、トリチウム水などが入ったタンク(2018年2月、撮影=共同通信社

     まずは避難への対応から検証していきたい。2017年春、政府は避難指示が出ていた地域のうち、最も放射線量の高い帰還困難区域を除く避難指示解除準備区域・居住制限区域の避難指示を解除した。除染により事故後に比べて放射線量が下がったことを理由にあげている。しかし、山林のほとんどが除染されず、放射線量が局所的に高いホットスポットが点在、事故前の状態に戻ったわけではない。

     また同時期に、いわゆる「自主避難者」への借り上げ住宅の無償供与を打ち切った。定期的な賠償がなく、自力で避難を続けていた人々には唯一の命綱。それが断ち切られ、帰還か、さらなる経済負担かの選択を迫ったのだ。富岡町、大熊町双葉町、浪江町の全域、葛尾村および飯舘村の帰還困難区域を除く避難指示解除区域でも、来年3月までに応急仮設住宅の提供が打ち切られる。さらに’20年3月には大熊町双葉町以外の地域で打ち切りが決定ずみ。

     避難者が7年にわたり積み上げた暮らし、帰還への迷いは無視され、施策の打ち切り一方的に進む。これが安倍首相の発言や政府方針にも頻出し、復興とともに使われるキーワード、「加速化」の姿だ。

     除染の状況はどうか。避難指示のなかった市町村では除染が事実上終了、汚染土壌を中間貯蔵施設へ搬入している。また環境省は、「再生資材」と名付けた汚染土壌の公共事業へ再利用を推進。汚染の低減処理を行うというが、実証実験に選ばれた地域の住民からは「汚染土を拡散しないで」と反対の声が上がっている。

     このような現状に世界の目は厳しい。国連人権理事会の特別報告者は今月、「事故前に許容されていた年間1ミリシーベルト以下が適切」「子どもの被ばくを最小限にする義務が日本政府にある」と指摘。支援の打ち切りが帰還の圧力になるとして、政府方針を問題視している。

     一方で政府は、アベノミクスの成長戦略として下記のとおり原発輸出を進めてきた。原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、原子力規制委員会の規制基準に適合した原発を再稼働させている。

    <成長戦略の原発輸出>
    ベトナム:日本の受注が決まるも’16年、白紙撤回に
    リトアニア:日立の受注が内定したが’12年に国民投票で計画中止
    イギリス:日英政府の支援を受けて日立が主導、国民負担のおそれも
    アメリカ:東芝の子会社が’17年3月に経営破綻
    トルコ三菱重工業などが受注、事業費5兆円規模の見通し
    インド:日印原子力協定の締結で原発輸出が可能に <相次ぐ 再稼働>
    九州電力川内1号機(’15年8月)
    九州電力川内2号機(’15年10月
    関西電力高浜3号機(’16年1月)
    関西電力高浜4号機(’16年2月)
    四国電力伊方3号機(’16年8月)
    関西電力大飯3号機(’18年3月)
    九州電力玄海3号機(’18年3月)
    関西電力大飯4号機(’18年5月)
    九州電力玄海4号機(’18年6月)
    関西電力高浜1・2号機(’19年秋以降を予定)
    関西電力美浜3号機(’19年秋以降を予定)

     再稼働へ向けた手続きの一環として、原発立地自治体と周辺市町村は、住民の避難計画を策定することになっている。国の原子力規制委員会は先月、事故発生時の避難などに伴う被ばく線量を「初期の1週間で100ミリシーベルト以内を目指す」とする目安を賛成多数で決めた。

     しかし現行法令では、一般人の被ばく線量限度は国連人権理事会も指摘した「年間1ミリシーベルト」。事故の際には立地自治体はおろか、その周辺住民にもリスクが押し付けられることになる。

    海洋放出がもたらす計り知れない影響

     安倍首相が’13年に東京への五輪招致演説で語った、原発事故の「アンダーコントロール」発言は多くの人が知るところだ。しかし、放射能汚染水の問題は全く「アンダーコントロール」されていない。

     福島第一原発に流れ込む地下水などから日々発生している放射能汚染水は、放射性物質を多核種除去設備(ALPS)等で処理している。ただ、水に構造が似た放射性物質のトリチウムは除去できない。そのため、トリチウムを含む水が原発敷地内のタンクに貯蔵され続けている。

     このトリチウム水の扱いについて、有識者を交えて検討しているのが資源エネルギー庁の小委員会だ。小委員会はトリチウム水処分方法等について、8月末に福島県富岡町・郡山市、東京都で「説明・公聴会」を行った。

     開催直前になり、驚くべき事実が明るみに出た。「処理」したはずのトリチウム以外の放射性物質(ストロンチウム90、ヨウ素129など)が法令基準を超えて含まれていることが発覚したのだ。

     処分方法には「薄めて海に放出する」選択肢が含まれていたため3会場はいずれも紛糾、エネ庁や小委員会への批判、海洋放出への反対意見が圧倒的多数を占めた。

    <汚染水処理のイメージ
    (1)高濃度の放射能汚染水が発生
    (2)多核種除去設備(ALPS)等でトリチウム以外の放射性物質を除去
    (3)トリチウムを含む水をタンクで保管
     ※一部の放射性物質も残留
    (4)処分(政府が検討中の方法)
     ・薄めて海洋放出
     ・地層注入
     ・水蒸気放出
     ・水素に変化させて大気放出
     ・固化・ゲル化して地下埋設

     福島県漁業協同組合連合会の澤田忠明さんは、これまでの努力が水の泡になることを懸念している。福島県の漁業は試験的に操業している段階で、沿岸漁業も自粛したまま。県は、およそ5万5000検体におよぶ海産物の放射能濃度を測定。漁協としても国の基準よりも厳格な数値を設けて検査をしてきた。

    「海の汚染は、事故時の高濃度汚染水によるもの。私たちは信頼を勝ち得るために身を切る努力を続けてきましたが、水揚げは事故前の13%までしか回復していない。それをマイナスに戻すのか、という思いがあります」(澤田さん)

     消費者アンケートで、2割が“福島県産の魚は買わない”と答えたデータもある。

     澤田さんは、「消費者が悪いとは思っていません。でも、海洋放出といった悪いイメージの話はすぐに広がります。そもそも、トリチウムだけですら反対しているのに、ほかの核種もあった以上、話は振り出しのはずです」と憤る。

    「漁協さんと同様、海洋放出は反対です。沿岸の海のものがウリだったのに、いまは試験操業中で福島県外産がほとんど」

     そう話すのは、福島県いわき市で海産物を扱う観光物産館『いわき・ら・ら・ミュウ』広報の小玉浩幸さん。海産物は、とった場所ではなく、水揚げした場所が産地になる。

    「海はつながっていますからね。東京・関東(の漁業関係者)も、同じ問題を抱えるのではないでしょうか」

     原発事故後、年月をかけてさまざまな努力を重ねても、売り上げは事故前の6割までしか戻っていないと話す。

    「進んだかなと思うと戻され、振り回されています。事故収束なんて言われていますが、地元の人も、海外の人も、そう思っていないんじゃないでしょうか」(小玉さん)

     三春町在住の武藤類子さんは、郡山市での公聴会で反対意見を述べている。

    「海外の知人ともこの話題になりましたが、冗談じゃないと。県民として、これ以上、海がダメになってしまうことは当然反対だし、悲しい」

     武藤さんは「またこんなことが……って、この“ガッカリ”がいちばんこたえるんです」とつぶやく。

     事故によって膨大に発生した汚染水はたまりにたまり、原発敷地内での貯留は限界に近い。汚染水問題を追い続けている文筆家・春橋哲史さんは「なし崩しの海洋放出をしないために早急な対策が必要」と話す。

    「タンク容量は上限137万トンとされていますが、台風などでの水の急増やALPS運用に必要な容量を差し引くと、約126万トン。現在、約112万トンの汚染水があり、容量の限界までわずか14万トン程度に迫っています」

     となると、残された時間は少ない。タンクに貯蔵されたトリチウムの量は、これまでに公開された情報では、事故前の“年間放出管理目標値”の35〜45倍とされている。

    「核災害で発生した廃棄物で、これほどの量を意図的に海洋放出することは前例がなく、環境・市場・国際的影響は予想できません」(春橋さん)

     安全性も心配されている。元日本原子力開発機構の研究者・井田真人さんが指摘する。

    トリチウムは比較的安全な核種だと言われがちですが、濃度が上がれば、それだけ健康や環境へのリスクも上がると考えるべきです。仮に海洋放出するなら、トリチウム濃度は、事故前の福島原発の放出実績と同等か、放出後に自然界と同程度にまで下がるようにすべきです。年間放出量も、過去の実績値を超えるべきではないでしょう」

     先日発覚した、トリチウム以外の放射性物質を取り除くことも欠かせない。

    「そのうえで安定的に放出する見通しが立たないなら、国と東京電力には、新しい選択肢に向けて、近隣住民や漁港の人々らと早急に話し合いを開始する義務があるのではないでしょうか」

     前出の春橋さんも、「原発の敷地外にもタンク用地を確保するなど、早急に対策をとるべきです」と強調する。

     経済産業省は’16年4月、汚染水処理にかかるコストを上の表にまとめた処分法別に試算、海洋放出が最も低コストであるとまとめている。だが、安全性や環境、漁業への影響を考えれば、単に低コストであればいいという話ではない。

     安倍政権の選択が国内外から問われている。

    ***

    取材・文/吉田千亜

    フリーライター福島第一原発事故で引き起こされたさまざまな問題や、その被害者を精力的に取材している。近著に『その後の福島 原発事故後を生きる人々』(人文書院)



    (出典 news.nicovideo.jp)


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