Photo credit: to.wi on VisualHunt.com / CC BY-NC-SA
Point
・合成麻薬で幻覚剤の「MDMA」を人が摂取すると、セロトニン輸送体に作用して、いい気分になって外交的になる
・ゲノムの解析でタコにもセロトニン輸送体遺伝子があることがわかったので、MDMAへの反応を調べた
MDMAを投与されたタコは、他の個体と時間を過ごすことが多くなり、友好的な接触も増えた

エクスタシーとして知られる合成麻薬MDMA」。人間が摂取すると、幸せな気分になって外交的になり、体を触れ合うことに特に興味を示すようになります。それでは、この麻薬を他の生物に与えても同じ効果は得られるのでしょうか?

そこで科学者たちが注したのが、特異な遺伝子を持ち「宇宙生物では」という疑惑もある「タコ」です。アメリカジョンズ・ホプキン大学らが行った実験7匹のタコMDMAを与えた結果、これほど似ていない生物にも関わらずその効果はそっくりでした。研究は、“Current Biology”で発表されています。

タコと人間は、優れた知性を持つこと以外にあまり共通点はありません。人間とタコの先祖が進化の系統を分岐したのは5億年前です。タコの他にも各腕にコントロールセンターを持つなど、人間のような大皮質や複雑に折り畳まれたを持つ代わりに、分散神経システムを持っています。

研究者らは、このような違いがあり、単独行動を好むタコにも、人の社会行動を支えている化学物質「セロトニン」を制御するシステムが存在するのかを調。そしてタコのゲノムを解析した結果、タコにもセロトニン輸送体の遺伝情報があることがわかりました。セロトニン輸送体は、細胞へのセロトニン分子の再取り込みを行う働きがあります。そしてセロトニンは「いい気分」を生み出す科学物質です。人がMDMAを摂取すると、セロトニン輸送体に結合して再取り込みを阻し、セロトニンの効果が長く続くようになります。

実験ではタコMDMAの入った浴槽でしばらく過ごしてもらった後、3つの部屋のある水槽移動します水槽の3つの部屋は、中央の部屋、オスのタコがいる部屋とおもちゃがおいてある部屋となっています。MDMAを与えずに部屋に入れた所、タコはオスを避けました。しかし、MDMAで処理した後だと、他のタコと過ごす時間が増えました。そして、攻撃的ではなく、まるで探るように他のタコを触り出したのです。

神経系の構造が異なり、人ののような報酬系を持たないタコが、MDMAに対して人と同じ効果が現れたのは驚くべきことです。また、MDMAといえば気になるのは「幻覚症状」。しかし、タコがどのように幻覚症状を示すのかは、標がないため調べられませんでした。ただ、研究者によると、主観的には幻覚症状を示したように見えたそうです。低量のMDMAを与えられたタコは、腕を広げて泳ぎ、まるで水中バレーを踊っているようだったといいます。宙返りに時間を費やす者や、小さな音や匂いに特に興味を示すものもいました。

MDMAやLSDマジックマッシュルームといった幻覚剤の研究が復してきています。抑うつ症やPTSD治療への可性も研究されていて、その悪名は次第に薄れていっています。幻覚剤を使った研究に使われる研究費も増えてきています。今までタブーだったこういう研究が進むことで、私たちや動物たちのの機を理解する助けとなるでしょう。

 

これクトゥルフじゃ? 「タコは地球外生命」説で33人の科学者が本気で論文発表


 

via: GIZMODO, eurekalert/ translated & text by SENPAI

 

タコに幻覚剤「MDMA」を与えた結果、驚きの現象が判明


(出典 news.nicovideo.jp)


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